先日、大阪大学名誉教授の小野田正利先生と電話でお話する機会を得ました。
小野田先生は、教育界では知る人ぞ知る「モンスターペアレンツ論」で著名な方で、毎日全国を駆け回り、保護者対応の在り方について、講演活動や教育相談の活動を展開されておられます。
かくいう私も、昨年保護者との確執で大変な目に遭い、小野田先生に学校まで来てもらって相談に乗っていただいたことがあり、それ以来懇意にさせていただいております。
私の方から、次のような問いかけを小野田先生にしたのです。
「スクールロイヤーは、必要だと思われますか?」
小野田先生のお答えは、「ないよりあった方がいいが、機能的ではない」とのこと。
現在、福井県や岐阜県で制度化されているらしいのですが、現場の校長先生からは、「法的措置ばかりで、現場には役に立たない」というのが、率直な感想であるとのこと。
保護者対応は長引くと、次々と感情が変わり、事態も変わり、変動していきます。スクールロイヤーは、基本1時間単位でしか対応せず、保護者対応の日々変わる経緯を寄り添って付き合ってくれるまでには程遠い実態があるそうです。
「では、どのような体制があれば、学校現場は救われるのでしょうか」
小野田先生は、次のようにお答えになられました。
「私や松下さんのように、スーパーバイザー的な存在がいります」
スーパーバイザーとは、〝俯瞰してみれる存在〟であり、〝方針や方向性を指し示す人〟のことをさします。法的な専門家は、弁護士がいます。保険会社の相談員もいます。教育委員会も調べてくれます。大事なのは、現場の声を吸い取り、刻々と変わる事態に付き添い、全体像を見ながら対応の方向性を示唆してくれる人がいるのです。管理職が渦中に立たされることが多い昨今、トコトン付き合ってくれる存在が必要なのです。
教育界にスーパーバイザー制度を導入する。それが今後求められているように思います。小野田先生は、まさにその存在として君臨してくださっています。私は修行中でまだまだですが、この研究所を立ち上げた一つのきっかけは、小野田先生との出会いからでした。
学校現場に、多くのスーパーバイザーが要る!そう思った小野田先生との電話会談でした。
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