子どもの心のケアについて③

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 子どもの心のケアの第3弾です。地震等による子どものストレス反応として、次のような症状が出ることが考えられます。

 1 身体症状として

  頭痛、吐き気、めまい、夜尿、夜驚、皮膚のかゆみ、アレルギー、食欲不振、過食、声が出ない等

 2 過度の罪悪感や無力感でひどく落ち込む

  自分のからだを叩く、手に傷をつけるという自傷行為をすることもある

 3 退行現象を起こす

  わがままになる、幼児語を使うようになる、やたらと甘えたがる、親のそばを離れたがらないなどの赤ちゃん返りをする

 このような症状が出てきた場合に備え、学校側として、次のような対応をお勧めします。

 ① 感情や体験の共有 & 感情表現の手助け

  ・子どもの感情や体験を共有するために、先生と子どもたちでコミュニケーションの場を持つこと

  ・高学年ならば、地震の写真や映像で、低学年ならばクレヨンなどの絵で表現させながら、言葉にならない感情を表現させる

  ・友達の体験談や思いを聴く場を持つことは、自分だけが特別な感情を保有しているのではないという安心感や表現しづらかった感情を代弁してくれている、という心の安定につながる

 ② 子どもたちの遊びを通して

  時には、「地震ごっこ」「津波ごっこ」「生き埋めごっこ」という一見、不謹慎と思われる遊びをすることがあります。しかし、これは、子どもの心の中の不安や恐れなどを克服し、乗り越えようとするあらわれととらえ、あわてて禁止することがないようにしてください。大切なのは、遊びを通じて、子どもの話を聴いてあげること。不安や恐れを克服すると、自然とそのような遊びは時間の経過とともに消失していくものととらえてください。

 ③ 防災対策 & 安全教育の徹底

  ・余震が引き続きおこる可能性があるため、いつでも保護者に引き渡せるように事前の通知方法や引き渡し方法を確立しておくこと

  ・学校内外の危険な場所や倒壊しそうな場所、公園などの施設の安全性の確認、など、子どもたちを取り巻く施設の安全性について、事前に話をしておくこと(ひび割れや陥没 などの恐れがあり、2次被害防止の意味で危険と思われる場所を確認しておくこと)

  ・避難所や仮設住宅での「お手伝い活動」に関して、ほめることと同時に、駐車場での活動や見知らぬ人との接し方、そして、衛生面での約束ごと、などについても事前に話をしておくこと

 地震発生後、さまざまな噂や罵詈雑言が飛び交うことがあります。また、不審者や盗難目的の窃盗団もはびこります。子どもたちの心と身体を守るためにも、警察や自治体および地域住民との連携を深めることが大切となります。そして、学校に入ってくる様々な情報を整理しながら安心・安全な方策をまとめ、校内での活動と下校後の活動での方針をその都度、発信していくことが求められます。

  

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