PTA組織が崩れ始めている・・・!?

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 今年度に入り、学校訪問は21校目。そこでの校長先生との会話は衝撃的でした(´∀`*)

 「PTA総会は、コロナあけても紙面決議です」

 「学級懇談会もなくなりました。学級委員は存在せず、参観日後の学級懇談会もなくなりました。

  保護者との面談は、通知表を渡すときの個人面談のみです」

 「引き渡し訓練時のPTA地区委員の付き添いもなくなりました。引率中、万が一のことがあったら責

  任がとれない、とのことで、教師が引率することになりました」

 まさに、〝PTA任意化〟の嵐が起きています。どんどんPTA活動が縮小化され、その一方で保護者の「個人主義」が大きく顕在化していると実感しました。

 子ども同士のトラブルは、日常茶飯事です。そのたびに、家庭で子どもが自分の親に訴える声は、「自分優位」な主張がほとんどです。事実を突き合わせると、子どもの家庭での主張にかなりの誇張や事実とのへだたりがあることがとても多いのです。

 しかし、残念ながら、「わが子は被害者です!」「うちの子に限ってウソは言いません」「すべて相手が間違っています。学校の事実確認が甘いのです!」という保護者の主張の嵐が続き、すぐに解決すべき事案が、ことさら長引く現象が、毎日のように起きています。

 そして、学校は疲弊します。担任は、放課後の保護者対応のことを考えると、授業に身が入りません。すでに、病休に入っている若い先生がチラホラ出ています。新採から2,3年目の先生に多いです。

 保護者の気持ちは分かります。可愛い我が子の訴えを信じたい!わが子をまもれるのは親である自分しかいない!という気持ち、感情は分かるのです。

 しかし、大切なのは、〝子どもの成長〟〝子どもの自立〟です。保護者が、我が子の言い分を100%信じて、学校や相手のご家庭の非を認めさせようと、必死になればなるほど、お子さんはこう思うのです。

 「学校でまずいことがあれば、家の人に言えばいい。必ず自分の味方になってくれる」

 それは悪いことではないのですが、実はお子さんの自立を遅らせることになります。保護者がわが子をかばう姿勢を見せれば見せるほど、その子の成長は止まるのです。真実を正直に言わず、保護者の顔色を覗いながら、自分の有利な方向へ言い回しを微妙に変えることで、自分を守ろうとするのです。

 そもそもPTAという存在は、保護者と教師が手を取り合って、子どもの成長を見守っていく組織のはずでした。

 今一度、PTA組織の目的を見つめ直し、「おたがいさま」「おかげさまで」というこれまで大切にされてきた相互補完、相互依存の関係性を取り戻す時期であると私は思っています。

 能登半島地震を体験してきた私たち。「自助・共助・公助」の「共助」の大切さを目の当たりにしてきたはずです。このPTA任意の動きは、この「共助」の精神を薄めていくことになりはしないか、とても危惧しております。

 人間は一人では生きていけません。ともに認め合い、支え合う存在です。でないと生きていけないのです。「個人主義」が「わが子だけよければいい」にならないことを祈ります。「わが子も大事、周りの子も大事」という視点を忘れずにしていただきたいと思います。

 学校は、保護者の感情を晴らす場所ではありません。残念ながら、そのような傾向が強くなっていると感じています。学校に対してご主張する前に、一度深呼吸をされて、子どもの成長と自立につながるためにどうすればいいか、と自問しながら冷静になって考えていただけると幸いです。

 最後にお願いです。次の2点が学校に対する保護者の暗黙のルールです。

 ① 子どもの学校トラブルの主張は、全部うのみにせず、話半分に聞いておくこと

 ② 子どもの目の前で、学校の悪口を言わないようにする(子どもに指導が入らなくなります)

この2点が、これまでの暗黙のルールでしたが、それもいつの間にか消えつつあります。今一度、共有して、ともに子どもたちの成長と自立のために手を取り合うことを一番の目的にしていただきたいと切に願います。

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