8月4日(日)午前10時より、2時間たっぷりと、富山県からお越しのペアレント・トレーニングの講師である平ひかりさんの講演を聞くことができました。
小さな会場も満席で、いかに〝発達障害のお子さんへの対応〟に関心の高い方が多いか、ということがよくわかるひとときでもありました。
ペアレント・トレーニングの効用は、次の通り。
① その子の発達の促進 ② 困った行動の減少 ③ 親のストレス減少
ついつい子どもを相手にする親や先生は、イライラして感情的になりがちです。しかし、このペアレント・トレーニングは、「観察に始まり、観察に終わる」というくらい、冷静に子どもの行動を観察して、「行動の原因」を探り、「行動の良化」を図るのが手法です。
ポイントは、次の3つです。
① 「なんで?」の視点を持つこと
行動を観察した時、「なんでこんな行動をしたのか」を考えることが大切です。ABC理論と言っ
て、A :きっかけ ⇒ B:行動 ⇒ C:結果 の一連の流れを観察して、そのAであるきっかけ
を極力問題行動に移さないように、未然防止することを考えることが大きなポイントです。
② 「良い行動」を増やす
子どもの悪い行動を注意することよりも、よい行動をほめる・認めることが大切です。ほめるこ
とをふやすと、自然と叱る・注意する回数が減っていきます。
③ 事前準備が9割
そもそも子どもが問題行動を起こさない「環境整備」が大事になります。
例えば、公共交通機関に乗って大声を出す子がいたとしたらどんな事前準備をするか。
・興味のある絵本を用意する ・事前に言って聞かせ、ガマンできたらご褒美を与える
仕事でも何でも「段取り8分」といいますが、発達障害のお子さんへの事前準備はとても大切で
す。子どもに見通しを持たせ、ほめる機会を多くすること、当たり前ができていたらほめるこ
とがとても大切になります。
その他にも、キーワードとして、「ルール決め」「視覚支援」「声掛けの工夫」などがありました。
特に、「声掛けの工夫」では、〝CCQ〟というテクニックは初めて知りました。
Calm(穏やかに) Close(近づいて) Qviet(落ち着いた声で)
という意味です。ガミガミ叱るとは正反対ですね。これが脳科学的にも効果的であることが判明しているのだそうです。
落ち着いて座れない子には、「スクイズボール」といったやわらかいボールを握らせたり、「オイルモーション」という水時計のようなものを見せたり、リュックに水を入れたペットボトルを入れるなどすると、効果があるという話も新鮮でした。
5年後、10年後、15年後の子どもがどのような姿になっていくのか、それは個々ちがっていいのですが、常に「自立」の姿を模索しながら、「子どもをかえようとするのではなく、まずは大人が変わる」ことの必要性をしみじみ考えさせられた講演会でした。
学びの多いひとときに、参加者も大満足の様子でした。主催者として嬉しい限りです。
また、次回も違うテーマでイベントを開催します。ぜひお楽しみに(^^)/
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