この絵本を書いた、古内しんごさんの講演会(富山市で開催)に行ってきました。
彼は、小学校の非常勤講師をしながら、子育てコミュニティ『つみき』の代表をしている35歳の若者教師です。
発達障害の子どもへの見方・考え方について、大きな示唆を与えてくださいました。心に残ったフレーズをご紹介します。
「その子を横軸で見てしまう。でも、比べてどうなるの!? 縦軸で見ることが必要!
縦軸で見るってことは、〝ただ一人のその子の成長や発達〟だけを見ていくこと」
「ADHDや自閉症スペクトラムという診断が大切なんじゃない。その子自身の〝生きづらさ〟を感じとれるかどうか、そここそが大切!」
「生きづらさを感じている子には、すでにたくさんの支援グッズや支援方法が開発されています。どんどんその子に合ったものを活用することが、親も教育者にも必要です!」
例えば、「視覚の特性」を持つお子さんが結構います。
①追従性眼球運動ができづらい = 改行したら音読できない
②跳躍性眼球運動ができづらい = 板書の文字をノートに写せない
③ディスレクシア = 文字が反転して見えたり、歪んでみたりする
このようなお子さんには、〝リーディングルーラー〟という2行だけピックアップして見える物差しが有効です。文字が反転して見える子には、〝音声読み上げグッズ〟という文字をなぞるだけで音声が出てくるグッズが有効です。その他にも、〝ビジョントレーニング〟や〝スクールパズル〟といった眼球運動を鍛える絵本などが多数出ています。(恥ずかしながら私は知りませんでした)
また、衝動性の強いお子さんも多数学校にいます。どんどん増えている傾向が強いと思います。
そのようなお子さんには、次のようなものがあるそうです。
・クールダウンの空間をつくる ・・・ 狭くて暗くてビーズクッションの枕があるといい
・イボイボボール ・・・ 凹凸のあるボールを持たせることで、手への刺激で心が落ち着く
特に、ADHDのお子さんは、「感覚統合」ができづらいため、他の感覚を補う空間やグッズを駆使することで、イライラを押さえる効果があるそうです。
ネットで調べると、様々なグッズや商品があるらしいので、今の学校や家庭のお子さんで対応に苦慮されている方は、ぜひ調べてみてください。
最後に、古内さんがおっしゃったこの言葉が印象的でした。
「その子の〝生まれた あの時の心〟を思い出してほしい」と・・・。
わが子が誕生した時には、感動しかなかったと思います。成績がよくなれとか、大谷翔平みたいなスポーツ選手になれ、なんて思わなかったはず・・・。ただ無事に生まれてきてくれただけでありがとうの世界だったはず。
その初心に戻れば、我が子が愛しいという思いにあふれ、その子のわずかな成長だけでも喜びという感覚が戻るはず・・・。
比べないで、社会の常識に当てはめるのでなく、その子の生きづらさに焦点を当てること。
「困った子」は、実は「本人が困っている子」であること。
これを心に刻んで、今、目の前にいる子どもに接していきませんか。
コメント