「社会科の目的とは?」~金沢大学講義パート1~

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 10月4日(金)金沢大学人間社会学類の講義室にて「初等教育方法(社会科)」の第1回目の講義が行われました。春先に金大の非常勤講師の打診を受け、この夏から講義の準備をしてまいりました。

 35年間学校現場で子どもをみてきた私としては、①理論ではなく実践を! ➁ナマの子どもの姿を! ③生きた社会情勢を! の3つを伝える講義を構成しています。

 受講生は、教師の卵である88名(小中学校の教員志望者)。スタートのつかみが大事と、次のような話から入りました。

 ❶ 私の大学時代(金沢城内キャンパス時代)の学内の様子

 ➋ サークル・バイト・恋愛 の話

 ❸ 学生時代と変わらない〝第七ギョーザ〟の話

 どれも大うけでしたが、一番受けたのは何だと思いますか!? もちろん「恋バナ」です(^^♪

 受講生の7~8割が女子学生なので、私の遠距離恋愛の話は新鮮だったようで、身を乗り出して話を聞いてました(笑) まずは、つかみはOK♪

 今回の講義の趣旨は、「社会科の目的」について熱く語りました。難しい言葉は敢えて使いません。キーワードは、〝ワクワク〟なので、分かりやすく、平易に、それでいて核心をつくような言葉を用いながら、話を進めていきました。例えば、次のような感じです。

【社会科の目的】※わかやすいように言葉の意味を次のように変換しました

 ◎公民としての資質・能力の基礎 ⇒ 社会の一員の自覚 ⇒ 自分の地域・国・世界を好きになる 

【社会的な見方・考え方とは】

  目の前の事象を「人の営み」という視点で見たり考えたりすること

  例えば、1本のボールペンを取り出して、こう話しました。

  ・ボールペンの歴史 ・原材料はどこからくるか ・生産の多い所はどこか ・新製品開発の工夫や努力にはどのようなものがあるか  など・・・

 特に、消えるボールペンである「フレクション」の開発物語には、学生たちはオドロキの声をあげていました(^^)/  

  ※実は30年間もの開発物語があったのです・・・ぜひ調べてみてください(^_-)-☆

【社会科をワクワクにするにはどうするか】

 ⅰ)ホンモノと出会わせること   ⅱ)オドロキや感動を生み出すようにすること

 本物の漁師に出会わせたり、マグロの釣り針を見せたりした話やキウイ栽培のナマの果実を食べさせたりなど教室でやってきたことを語ると、学生たちはうなづきながら聞いておりました。

 この後、3~6年生の単元名を提示し、どの単元が心に残っているのか、学生たちを小学生時代にワープさせました。すると、やはり当時の担任の教え方が強い影響を与えていること、そして本物体験した学習が心に残っていることが判明!

 ここで学生たちに【心に残る社会科授業】の要素として、次の3つがあると伝えました。

 ❶体験的な活動  ➋見学・現場の人々とのふれあい  ❸知っているようで知らない状態

 このあたりで、パソコンのバッテリーが切れてしまい(笑)、プレゼンの画像無しで講義続行!授業では、ハプニングがよくあることを告げながら、残り30分を頑張り続けました。

 3年生から「地図帳」を扱うことを話しながら、学生にとって久しぶりの〝地図記号〟クイズを出しました。講義室は騒然!友達と相談しながら、15問の地図記号を答えさせました。正解ごとに拍手をさせ、参画意識を高めつつ、「全問正解の方には第7ギョーザをおごります」とうそぶくことで笑いのうずが起こりました。(半数以上が全問正解でした!さすが金大生!)

 その他、地図帳に関して、次のような話をすると、興味津々な様子でした。

  ❶ 地図帳の表紙だけで1時間の授業ができること

  ➋ 「宝島」さがしでさくいんの良さに気づかせること

  ❸ クレヨンしんちゃんの出身地さがしを競走させながら探させること

  ❹ 1~10までの数字が付く地名さがしをさせること

  ❺ 各都道府県の特産品さがしをさせると盛り上がること

 最後に、石破総理大臣の危うさとイラン・イスラエルのミサイル爆撃の日本に与える影響についても熱く語りました。学生たちは、最後まで身を乗り出して聞いてくれていた感覚があります。

 残り10分、講義をふりかえって「今日の学び」を短冊に書いてもらいました。88名全員、ひと言も発せずに、真剣に書いている様子を見て、「大学生に授業するのも悪くないな~」と思いました。

 88人分のふりかえりを講義後、第七ギョーザを食べながら読ませてもらいました。

 もう大感動~~~\(~o~)/

 一人だけ名前を伏せてご紹介します。

【今日の講義を聞いて学んだこと】

 先生の話を聞いて、最も印象に残ったのは、正直授業の内容ではなくて、先生の惹きつけられる話し方であったり、面白おかしく話す様子です。今まで大学でいろいろな先生の授業を受けさせていただいておりますが、メモもあまりとらずに最後まで楽しく受講できたのは、本当に数少ないので、どうやったらそんなに楽しい授業ができるのだろうか?という視点で授業を聞いてしまっていました。先生は、ワクワクのタネとなるようなお話をたくさん持っていて、社会科を自分の生活と身近に感じさせる工夫を貯めているのだろうなと思いました。私は人前で話すことはあまり得意ではないですが、先生のように質問と挙手のくり返しをさせることで、児童生徒を巻き込むような授業をしていきたいと思いました。

 学生たちのふりかえりの感想文は、今日の私の宝物となりました。それほど、各自の書かれた内容は的を得ており、学びの足跡をぎっちり残されておりました。

 さて、次週は、「3年生社会科の問題解決型授業の在り方」について行います。学生を小学校3年生になり切らせて、模擬授業体験と授業づくりのまねごとをさせたいと思います。乞うご期待(^^)/

 

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