この写真は、これまで学生からの提出物であるレポートの山です。88名分のレポートを講義後、じっくりと読み込むことが、私の至福のひとときとなっております。この中から、〝学生のよい気づき〟と〝ぜひ聞いてみたい質問〟を選り分け、次回の講義にも活かしております。
まさに、「指導と評価の一体化」とですね(笑)
さて、今回はタイトルにもありますように、「資料と発問」シリーズです。
まずは、資料のワザを学生に伝えました。
① マスキング(グラフや資料の一部を隠す)
② 対比と類比(例:金閣と銀閣を対比的に見せる)
③ ピンポイント法(例:年表などの一部をピックアップして取り上げる方法) など
次に、発問のワザ。45分の社会科授業での発問には、次のような問いかけの分類があります。
① 数を問う(例:自動車の部品はいくつある? 1日何件交通事故が起きるのかな? など)
② 場所(起点)を問う(例:学校が火事になったら消防車はどこに停まるの? など)
③ 方法を問う(例:どうやっておいしいキウイをつくるのかな? など)
➃ 理由を問う(例:どうして頼朝は鎌倉に幕府を開いたのかな? など)
資料の扱い方や発問の種類を伝えた後、学生たちに、次の2つの資料から発問を考えさせました。
一つの資料は、元寇での鎌倉武士と元の兵士たちと闘う絵図を見せて、どのような発問をするか。
もう一つの資料は、火災現場に集まる消防車等の絵を見せて、どのような発問をするか。
それぞれ5分ずつ時間を与え、幾通りも考えさせました。しかし、学生たちにとって、このワークはかハードだったようです。カンタンな一問一答式の問いはできても、学習の深まりにつながる発問は、そうそうできるものではありません。
授業のねらいと結びつけたものでないと、質のいい発問はできないのです。
私は、が学生たちにこう告げました。
「私が若いころは、一つの単元に100の発問を作って、その中から選りすぐりの発問を3~5個にしぼる作業をくり返してきました。まずは、質より量です!量をこなす中で、よい発問が出てきます。来年の教育実習で、ぜひその作業を試してみてください」
この後、〝社会科授業の鉄則5〟を伝えました。次の5つです。
【社会科授業の鉄則5】
❶ 使う資料は3つまで
❷ 出す発問も3つまで
➌ 学習課題は5分以内に出すこと
❹ 必ず「予想」を建ててから調べさせること
❺ 「書く」活動は、授業の中で2階までを目安とする
学生の感想レポートを一部紹介します。
「今回の講義で、資料と発問を大切さを知った。どんな資料をどんな方法で出すのか、どんな発問を出すのかで子供たちの学習意欲の高まりが決まる。発問は授業の中核を担っていると思う。発問一つでその後の授業の方向性が決まる。数を問うもの、場所を問うもの、方法を問うもの、理由を問うもの、と、大きく四つにわかれている。どんなことをどんなタイミングで問うかが重要である。私が教師になったら資料や発問をうまく使えるようになりたい。そして、子どもたちにとって興味が持てる楽しい授業ができるようにしたい。」
さあて、次回は〝社会科の核心は「希望」!(3年生編)〟です。乞うご期待です(^_-)-☆
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