松下幸之助の子育て論①

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 松下教育研究所では、拙著『船中八冊』を購読いただいた方に、週1回「松下幸之助の子育て論」をメルマガ風にお届けしています。

 本ブログでも1週遅れになりますが、提示したいと思います。

 

人間はダイヤモンドの原石のように、磨けば必ず光り輝く本質を持っています。

これに気づいて一所懸命に磨けば、限りない可能性が花ひらくのです。        『親として大切なこと』(PHP文庫 松下幸之助)より一部抜粋

 

 人間というものは、たとえていえば、ダイヤモンドの原石のような性質を持っていると思うのです。

 すなわち、ダイヤモンドの原石は、もともと美しく輝く本質をもっているのですが、磨かなければ光り輝くことはありません。

 まず、人間が、その石は磨けば光るという本質に気づき、一所懸命に磨き上げていく。そうしてこそ、初めて美しいダイヤモンドの輝きを手に入れることができるのです。

 お互い人間も、このダイヤモンドの原石のように、見た目には光り輝くものかどうか分からない場合もあるけれども、磨けば必ず光る本質をそれぞれにもっている。つまり、各人それぞれに様々な知恵や力など限りない可能性を秘めている。

 そのことにお互いが気づいて、個々に、あるいは協力してその可能性を磨いていくならば、人間本来のもつ性質、よさが光り輝くようになってきます。そこに、世の中の繁栄も、平和も、人間の真の幸福も実現されてくると思うのです。

 

私たちは、この人間の偉大さというものに案外気づいていないのではないでしょうか。

むしろ、人間というものは弱いものである。あるいは、信頼できないものである。自分勝手なわがままなものであり、争いを好むものである、といった見方になっている。

そこに今日生じている様々な混迷の一つの基本的な要因があるようにも思います。

お互いにこの人間の偉大な本質に目覚め、自信をもつということが大切だと思います。

そして、ダイヤモンドの原石を磨くように、人間を本来の人間たらしめようと、これに磨きをかけていく。

そうすれば、人間本来持っている偉大さが花ひらき、そこにはきっと大きな成果があがってくると思うのです。

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『編 集 後 記』

 「子どもはダイヤモンドの原石である!」

 私も20代の時から、クラスの子どもたちにそう呼びかけてきた思い出があります。

 経営の神様・松下幸之助さんは、いち早くそれに気づかれていました。生来、体が弱く、無理のきかない幸之助さんは、重要な任務を部下に委ねることで、「事業部制度」を確立することができました。(今は当たり前ですが昭和8年時期は画期的な制度でした)

委ねるという点では、重要な判断だけは幸之助さんが行い、あとはすべて任せ切る、という姿勢を取り続けて、現在のパナソニック株式会社をここまで大きくさせてきたのです。

 さて、みなさんの学校の保護者の方々は、我が子をダイヤモンドの原石と思っていらっしゃるでしょうか。おそらく、ダイヤモンドという可能性は感じているでしょう。

しかし、ダイヤモンドを磨くには、当然〝痛み〟が生じます。その〝痛み〟を受け入れられない保護者の方が多いのではないでしょうか。

磨く痛みを受け入れ、ともに励まし合うご家庭を目指してほしい、と校長先生から言える関係性を持たれることが大切ではないかと思っています。

では、学校の職員の方に視点を移してみましょう。

今の職場の若い先生やベテランの先生の奥底にある〝ダイヤモンドの輝き〟をどれだけ見い出されていらっしゃるでしょうか。

その先生の「強みと弱み」は、すぐに分かります。しかし、ダイヤモンドの原石の輝きは、まだ見えない輝きです。磨かないと光らない可能性です。そこを見つけ出し、磨いていく姿勢を校長先生自身が持つことで、職員のブラッシュアップの度合いが大きく変わるかもしれません。

切磋琢磨は、少々痛みを伴います。若い先生は、その痛みを成長の痛みととらえず、ただ「ツライ」「ひどい」という悲鳴になってしまいがちです。

しかし、ここで若い先生に敢えて言いましょう。

「成長には、痛みは伴うものだ。その痛みを乗り越えた先に、子どもの笑顔という大きな

ご褒美と自分の成長が待っている。」と・・・。

個人面談の最中か、もう終わった職場もあるかと思いますが、「目の前の職員のダイヤモンドは何だろう」「どこを磨けば、さらに成長するのだろう」という視点で、今一度、大切な職場のみなさんを見つめ直し、さらなる成長を信じて学校経営、がんばってください。

                         学校のミカタ・松下教育研究所

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