能登から「あえの風」が吹いてきた♪②

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 先ほどのブログ投稿の続きです。食べるのがへたくそな私は、シャツの前にこぼれ落ちたクロワッサンの皮をあわてて払い落とし、輪島のあるご家庭に赴きました。

 「担任の先生とわが子とのことで悩んでいます。MROのニュースを見てメールしました」

 MRO効果は大きいですね!住所をお聞きし、ナビを頼りにご自宅へ・・・。ご両親だけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんともお会いし、話を伺いました。可愛い我が子を思う親御さんとご家族の方々の切なる気持ちがひしひしと伝わる感じがしました。

 結論からいうと、担任の叱責が多い毎日に子どもたちは辟易しているという実情がありました。臨時保護者会を開かなくてはならない状況にまでなったそうです。授業妨害する一部の児童を注意する毎日が続いてしまい、まじめにやっている子どもたちが疲弊し、担任と子どもとの信頼関係が揺らいでしまったという典型的な「学級崩壊」の図式が見てとれました。

 私はご家族に、次の3点を中心にお話しました。

 ①学校は、真摯に「臨時学級保護者会」を開き、チームで対応しようという姿勢を示しているので、

  この対応には問題はないこと

 ②家では、極力学校の話はしないこと。お子さんの趣味や楽しいと思うことを中心に話をすること。

 ③今回の出来事を敢えてポジティブにとらえること。

 例えば、「叱ってばかりの厳しい先生にあたって、いいメンタルトレーニングができるようになったね!」「人生で怖い人や厳しい人に出会うことはよくあること。いい人生勉強だと思えばいいよ!」という具合に、負の出来事も〝ひとつの学び〟と周りの親や大人がとらえ直しすることが大事です、と伝えました。

 一方、その学校の校長先生とは懇意の仲でしたので、輪島から帰った後、そこの校長先生には次のようなことをお伝えしました。

 ①保護者の思い、そしてその保護者への弊所の働きかけの実際をありのまま伝える

 ②子どもや保護者の心理的なケアを管理職を含め学校全体で受け止め、支えていくこと

 ③担任の先生のメンタルを支え、何とか1年間続けられるように、精一杯支援していくこと

 MROの番組でお伝えした通り、「学校と保護者との橋渡し」の場面が増えてきつつあります。そこが弊所の役割の一つになってきているなという実感があります。このブログをご覧の保護者のみなさま、学校関係のみなさま、このような観点から、弊所を生かしていただければ幸いです。

 最後に、冒頭の写真ですが、〝あえのこと〟という輪島に残る無形文化財の神事を紙芝居にしてまとめてあるものです。何とこのご自宅にその貴重な紙芝居がありましたので、見せてもらいました。木枠は、神棚で使うヒノキでできているそうです。紙芝居の扉をあけると「ギギギィ~ッ」という軋む音がして、なんとも味わい深い紙芝居に仕上がっています。

 あえとは、田の神様。見えないものをさも見えるかのように崇め敬う神事が「あえのこと」。学校の先生は、直接保護者の顔は見えません。保護者は、学校側の意向や思いは見えません。お互い見えないものを見ようとする努力をすることが、「学校と保護者の信頼関係を築くもと」になるのではないでしょうか。

 そのお手伝いを松下教育研究所ができれば、と思っています。「見えないものを見る」「見えないものをこそ信じる」姿勢が、これからの学校を取り巻く社会でも、求められているような気がしています。

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