昨日、石川県地場産で行われた「夜間中学シンポジウム」に参加してきました。会場は、関心のある市民のみなさんをはじめ、市町の教育長のみなさんも参加して、ぎっちり満員でした。
2016年の〝教育機会確保法〟の制定以来、不登校支援の幅が広がり、フリースクールの存在感も増し、「個別最適化」の教育の必要性がますます広がってきました。
夜間中学校は、全国では50校。石川県では、令和7年度4月開校をめざして、精力的に準備中とのことでした。
シンポジウムには、文科省から小畑氏、基礎教育保障学会会長の岡田氏、徳島県立しらさぎ夜間中学校長の都築氏、そして石川県教育長の北野氏の4名がパネラーとして討議が進められました。
以下に私なりの学びを箇条書きにて列挙していきますので、何かの参考になれば幸いです。
・全国に夜間中学に通う生徒は約1600名。そのうち、3分の2は「外国籍」の方。日本籍の生
徒の内訳は、戦争のため学習保障がとれなかった高齢者の方、不登校のために形式卒業の形で、
学びの保障がない10代後半の方。
・入学動機は、「学びたくても学べる環境でなかった」「社会に出て学習の大切さが身に染みた」
「体育祭や文化祭などの学校行事を今一度体験したい」などが多い。
・夜間中学の生徒は、「学びたいから学ぶ」生徒がほとんど。見返りを求める学びや義務感で学ぶ
生徒はほとんどいない。
・今、「学び」が受験に合格するためであったり、有望な会社に入るための〝手段〟になっている
のではないか!?本来の「分からないことが分かる喜び」「出来る喜び」こそ、学びの原点!
・誰一人おいてきぼりをつくらない!「誰でも、いつでも、いつからでも」が夜間中学である。
夜間中学校を経営したことのある岡田氏の次の言葉が、特に心に残りました。
「夜間中学は、〝心理的安全性の確保〟が大前提になります。そして、生徒に本気を引き出させる仕掛け作りが教師に強く求められます。」
「さまざまな多様性に応じた夜間中学には、次の4つの条件があります。
①適性のある先生の配置 ②加配の先生の充実 ③バリアフリー環境の充実 ④経済的支援
適性ある先生とは、人権意識のある寄り添うことが当たり前にできる謙虚な人。ここが一番大事」
令和7年4月に開校予定の石川県夜間中学。名前は「あすなろ中学校」と決定しているそうです。人不足が叫ばれている教育現場で、どれだけの適性のある人材を準備できるのか…ここが県教委の最大の課題だな、と思ったシンポジウムでした。
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