各学校に配布される『内外教育』。私は、毎回冒頭文と小野田正利さんの「モンスターペアレント論を超えて」を拝読しています。
1月11日に配布された冒頭文は、まさに「マスクが思春期に与えた影響」というものでした。
東京都内での中学校では、マスクを外さない割り合いは、7~8割いるとのこと。コロナが5類に降り、日常モードに戻ったにもかかわらず、思春期真っ只中の中学校におけるマスクの着用率が高いのはなぜか。
・マスクを外してありのままの姿をさらけ出すのが「恥ずかしい」から
・食事の時の「咀嚼音」を聞かれるのが恥ずかしいし、自分の飛沫を飛ばすのもイヤだから、向き合って談笑しながらの食事はもってのほかである
このコロナ禍の3年間で、クラスメートと談笑しながら食べる給食時間がなくなり、グループ討議や活動が行えなかったこと、体育祭などの学校行事で協力しながら活動が行えなかったことの代償は大きいと、筆者は言う。
それに伴い、2022年度の文科省の調査によると、「不登校」「いじめ認知」「暴力行為」のいずれも過去最多となっているのこと。
確かに、各学校を90校近く回らせていただいていますが、不登校が減ったという学校は皆無であり、どんどん増加傾向にあるのは、肌感覚としてもあります。
『内外教育』の筆者は、他者と協力して物事を成し遂げていく体験の積み重ねを意識して増やしていく必要性を訴えています。
また、この筆者は、大学生にアンケート調査したところによると、座学中心の大学と実技中心の大学では、マスク着用率が異なるというのです。つまり、実技中心の大学生の方が、マスクを外す率が高いのです。
ということを伺うと、やはり教育現場は、タブレット等の座学中心から脱し、「運動」「本物体験」「仲間との協働作業などの体験」が求められていると思うのですが、いかがでしょう。
「体験」こそ、各自の気づきを促し、仲間の良さや自分への自信を取り戻すきっかけになると私は思います。
学校現場の皆さんこそ、その部分に気づかれていると思います。価値ある実践を積み重ね、マスクをしなくても堂々とふれあえる子どもたちが、自然と増えていくことを願っております。
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