先日、我が家に『教育のひろば石川』の機関紙が届けられました。そこに、「教育を担う教師への熱きメッセージ」というタイトルで、教育対談の記事が掲載されていました。
そこに、私が所属していた社会科サークルの大先輩である〝野田 大介〟氏の言葉が、情熱ほとばしる形で載っていたので、一部抜粋しながら、教育関係者の皆様にお届けしたいと思います。
まずは、今の若い先生を取り巻く教育現場をズバリ見抜いている発言を紹介します。
「学校研究を若い先生に大事にしてもらうために、学校研究があなたの今の悩みを乗り越えるために必要なんだよ、ということが分からないとだめ。授業をどうしたらいいか分からないという悩みがある。それと同時に、今の若い先生は〝いじめ〟とか〝不登校〟の心の問題や生徒指導の問題に直面していて、そういう背景には必ず保護者の問題がある。こんな問題と直面しながら、十分授業に集中できない。だから、授業をどうしていいか分からない。それは、私の若いときと全然違う。」
さすが野田先生です。今の現状をよくわかっていらっしゃる。保護者対応となると、夕方から保護者と面談し、夜遅くまで長引くことも多々ありますからね。
このあと、野田先生は、次のように指摘します。
「生徒指導と授業研究。つまり、子どもの育ちと学びが融合できるような学校研究をやっていくと、若い先生たちも納得できるのではないかというふうな気がする。例えば、主体的な学びと対話的な学び。対話的な学びを成立させるためには、本当に子どもたちの中に相手を思う気持ちがないとできない。だから、相手を思う気持ちがどうしたら生まれるかといったら、その子が認められる、居場所があることなんです。その子の居場所を先生がつくってあげると、その子に安心感ができる。そうなった時、初めて自分を大事にして友達も大事にした心が芽生えてくる。」
そうなんです。今の子どもたちには、クラスの中に〝安心感〟がないと、生きた授業ができないんです。続いて、次のように野田先生は言葉を続けています。
「話を聴くことを大事にした授業。しゃべることを優先にするんじゃなくて、聞くことが大事だよという授業をしていくと、聞くことは人への〝優しさ〟だと伝えることになる。それを大事にした授業を続ける。もう一つ。学校研究の中で、よい先輩に出会うこと。良い先輩と出会うのが学校研究の大切さです。メンターを選ぶのは、自分で選べばいい。自分で選べた場合、全然違ってくる。」
授業を通して、人間を育てる。そして、良きメンターを探し、その人からたくさんを学ぶ。まさに、教師成長道の〝王道〟です。
最後に、今の「働き方改革」にも、苦言を呈しています。
「仕事の充実感とか喜びとかなかったら、本当の働き方改革ではないのではないかと思う。量的な働き方だけしないで、質的な働き方改革をしていくこと。」
私もまさに同感!生き甲斐改革にならない限り、「働き方改革」は若者を成長させることにならない、権利だけの応酬に終始する味気ないものになると私は思っています。
みなさん、ぜひこの機関紙を読んでみてくださいね。たぶん、各学校に回覧で回っていますよ(^^♪
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