前回のパート2では、「見せる」ことの大切さをお伝えしました。
100回「見せ続ける」ことで、その子なりにつかむものが必ず生まれます。そして、つかんだものを自分のワザで再生できたら、それはまさに「自信」につながります。
今回は、その続きで「教える」です。
「教える」ためには、言葉を使います。その言葉は、いつも同じであると子どもは飽きます。
「また、おんなじことばっかり・・・。もう耳にタコだよ!」
となってしまっては、教える行為の効果も半減してしまいます。
そこで、大切になるのは、〝変化のあるくり返し〟です。私が若いころ、教育技術法則化運動で学んだ授業技術の鉄則の一つです。
例えば、読書指導の場面。次のような変化のあるくり返しで、音読は楽しいものになります。
① 1場面を丸読みでリレー読みする
② 1場面を段落読みする
③ 1場面を1分間よみして、何行目までよめるか印をつけさせる
④ 1場面をクラスの半分でリレー読みして、教師が読みの得点をつける
このように同じ場面でもやり方を変えれば、変化のあるくり返しで子どもたちは退屈しません。
歌の指導でも、何度も繰り返し練習するのではなくて、次にような指導をします。
① クラスを半分に分け、いい表情をして歌っている子をみつけさせる
② いい表情の子をモデルにもう一度歌う
③ 次は声を出さずに、口パクで歌う。「体全体で歌うようにしなさい」という指示で。
④ 体全体で歌っている子を見つけさせ、その子のよさを伝えあう
⑤ 最後に、クラス全体で声を出して歌い、その変化をほめる
これは、あくまで学校の指導による「変化のあるくり返し」ですが、起業家をめざす場面においても、「教える」言葉は、視点を変えるだけで、届き方が変わってきます。
「教えるメッセージは、相手に伝わって初めてその子の〝価値〟となる」
これは、名言だと思います。伝わってナンボですよね。親の言葉も、教師の言葉も、上司の言葉も、原理は同じです。
「もっと集中して取り組みなさい!」 というよりも、
「前の時計の長い針の先を十秒ジッと見てから、取り組みなさい」と言ってやらせた方が集中します。
「手の甲にあるホクロを見て〝できる・てきる・・・〟と10回言ってから取り組みなさい」と言った方がさらに良い形で集中します。
この〝変化のあるくり返し〟をうまく活用して「教える」行為をしていくことが、起業家教育を継続していくコツとなります。
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